自動車史を静かにながめる。
著者の観点から、しずかに自動車の歴史を紐解き紹介している。非常にきれいな造本でよみすてられない重みがある。ただふっきれた文体の面白さには欠ける。でもいい本。
徳大寺 有恒というより杉江 博愛(すぎえ ひろよし)の半生
もともと月刊PLAY BOYに連載していたコラム「私が愛した20世紀の名車たち」を単行本用に書き下ろしたものです。内容は著者が出会ったさまざまな車の思い出というものです。もちろん歴史等の薀蓄も含まれています。
著者の人生を変えた一台とは、初代フォルクスワーゲン・ゴルフのことです。そういえば昔からゴルフのことをすごく褒めていましたよね。もしかすると我が国のゴルフ神話は著者が作ったのかもしれません。確かに画期的な車でした。コンパクトカーの歴史はこれから始まったのかもしれません。パッケージングの合理性だけではなく、ジウジアーロによるスタイリングもカッコよかったです。
「間違いだらけの車選び」の巨匠、徳大寺 有恒みたいに偉ぶることはなく、自分の過去を絡めて感傷的に書かれています。それにしても本名の杉江 博愛とペンネームとのギャップには、初めて知ったときにはびっくりしました。いろいろ批判されることもありますが、本当は優しい人なのかもしれません。
ちなみに、本人は雑誌やテレビでは大柄で恰幅のいい人のように見えますが、実は思ったより小柄な人です。
面白かった・
私自身が、最近免許を取って自分の人生に新しい局面を加えたと思っているので、この本のタイトルには非常にひかれました。車に詳しい著者が、有名なクルマについて一つづつ語るという形式をとっています。私の知っているようなクルマにもこんな物語があるのかと思って、真剣に読みふけってしまいました。今まで好きだったクルマもあるし、これを読んで初めて知ったクルマも。ますますクルマが好きになったような気がします。そして、スポーツ・カーには憧れをかきたてられたような気も。
面白かった!
かなり面白かった。 徳大寺氏のうんちくが語られた本だが、それぞれの車の伝説性みたいなものを教えてくれた。 これはいいと思う。 つまり車を選ぶとき、日本人は広さとかパワーとかデザインとか目に見えるものしか見ないけれど、実際はその上に伝説性みたいなものがあるべきじゃないかということを示唆している本と思った。 個人的には大賛成で、車に乗る満足感を得るためにもそういう伝説性への理解とかがあったほうが人生を幸せに生きられるんじゃないかと思う。 カローラだってバカにするんじゃない。偉大な大衆車としての歴史があるんだって。それが伝説性ということなんじゃないかと思いました。 私はこれを読んでシビックに乗りたい気持ちが強くなりました。皆さんがそれぞれに思うところ!があるんじゃないかなぁなどと思ったりします。 車好きじゃないひとにこそ読んで欲しい本ですね。
平凡社
ベスト・オブ・ナビ・トーク〈1984‐1992〉日本自動車評論の地平を革新する。 (Navi books) 日本のクルマ社会を斬る!―『間違いだらけのクルマ選び』20年ベスト評論集 徳大寺有恒のオトコの心得 ぼくの日本自動車史 ぶ男に生まれて (集英社文庫)
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